読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

kirasuke 紙芝居日記

アート愛好家には叱られそうな、ワタクシ流こじつけ紙芝居。アートや映画、身の回りのモノまで思いっきり拡大解釈します。

ワーキングプアを抹殺せよ!恐怖の”赤紙”が来たぞ!母は泣きながら赤飯を焚き、「お国のために死ね」と言った。

夕暮れの時間が少しずつ早くなってきました。
涼しい風が吹いて、ふと見上げると秋の空。

 

f:id:kirasuke:20160906120821p:plain

 

あれ?向こうから何やら、すごいスピードで飛んできます。

「鳥だ!」
「飛行機だ!」
「いや、タケちゃんマンだ!」

                  ・

     ・

     ・


違った、鉄腕アトムです。

 

 

 

f:id:kirasuke:20160902234323p:plain

 

「おーい、アトムく~~~~ん!どこ行くの~~~~?」

 

 

思わず声をかけると、アトムは降りてきて、
こんな話をしてくれました。

 

 

 

f:id:kirasuke:20160902234413p:plain

 

 

「お兄ちゃん、これ見て。赤紙(あかがみ)が来たわ。」

 

 


――――――――ちなみに赤紙(あかがみ)とは、第二次大戦中、
民間人を兵士として招集するための召集令状でした。


赤い紙に印刷されていたため、俗に“赤紙”と呼ばれ、
これが来ると、出征兵士のために壮行会などのお祝いをし、
出征の時は、ご近所・親戚総出で万歳三唱して、
日の丸を振りながらお見送りしたとか。


映画なんかで見た方も多いかと思いますが、
なんで今の時代に“赤紙”が・・・・・?

 

 

 

f:id:kirasuke:20160902234544p:plain

 

 

「とうとう来たか!支払いが遅れてるから、近々来るかと思っていたけど・・・・・。

 払えなかったら、この家も差し押さえだ。」

 


どうやら、アトム君、差し押さえ予告書のことを言っているようです。

 

 

f:id:kirasuke:20160902234635p:plain

 

 

「お兄ちゃん、どうしよう?」

「博士が現役の時には、僕にもいっぱい仕事があったんだけどな。

いろんな依頼がいっぱいあって、先々のことまで考えてなかったけど、

あの頃なら、ちゃんとした就職先も紹介してもらえたかもしれないのに。


博士がガンにかかって退職してからは、手術と入退院の繰り返し、
貯金もどんどん減って、収入は博士の年金だけになっちゃた。


研究にいいからと言って買ったこの田舎の家も、
今じゃ売ろうにも売れないし。

維持費ばっかりかかっちゃって、固定資産税が払えない。」

 

「お兄ちゃん、私たちどうなるの?」

 

「払えなかったら立ち退きさ。

水道や電気もいつ止められるか、わかりゃしない。


僕も昔は人気があったから、著作権使用料やキャラクターグッズ
なんかで随分収入になったよ。

でも今じゃ、アニソン大会でも
僕のテーマソングは歌ってもらえないみたい。


映画化もされるとか言ってたけど、あんまり人気が出なかったみたいだし。」

 

「何かいいお仕事ないの?」


「僕は力があるから、建設業や建物解体業で働いてみたよ。
確かに他の人に比べればいいお給料をもらえるんだけどね。

 

f:id:kirasuke:20160902234754p:plain

 

 

僕たちって原子力だから、燃料がとっても高くつくだろ?
とてもじゃないけど、僕のバイト代じゃ足りないし。

 

博士は今、重度障碍者だから医療費は安い。

でも、保険のきかない治療や、介護の費用がかさんで、

年金くらいじゃ生活はとっても苦しくなったし。

 

食費や光熱費、僕たちの燃料費も節約して頑張ってるけど、

いったいいつまでもつのか、不安だよ。

 


それに博士の研究していたような、人型ロボットは、
高度成長期には期待されてたんだけどね、
今は接客業なんかで使われてるくらいなんだ。」

 

 

f:id:kirasuke:20160902234845p:plain

 

 

 

「じゃぁ、どうしたらいいの?」

 

「今となっては自分で仕事を探すしかない。

いろんなアルバイトをやりまくってみるけど、どうせ焼石に水さ。

 

何とかもっと大きな金額を稼げる仕事につかないと

このままじゃ、近いうちに行き詰まっちゃうよ。

 

博士が3年前に脳梗塞で倒れて以来、

僕たちを完全に修理してくれる人がいないし。

自分たちで簡単な修理はできるけど、
そのうち僕たちは完全に動かない粗大ごみになっちゃう。


何とかしなくちゃ・・・・・。

そうだ、昔のお友達に相談してみよう。」

 

 

 

f:id:kirasuke:20160902234951p:plain

 

 

「ぱいるだーーーっ、オ~~ン!やぁ!アトム君か!
そうだな・・・・、デパートでキャラクターショーでもやらない?
あしゅら男爵VS鉄腕アトム』なあんてさ。」

 

 

 

 

f:id:kirasuke:20160902235454p:plain

 

「やぁ、アトム君、げんき?

 そうか、アトム君、働きに出るんだ。

 すごいな、のび太君に君の爪のあかでも飲ませたいよ。

 全然自立しないんだ・・・・。」

 

 

 

 

 

f:id:kirasuke:20160902235606p:plain

 

 

「そっかー、しごとねぇ・・・。俺の方は順調なんだけどね。


フィギュア人気もすごいし。アトム君はシンプルだからなぁ、
最近の流行とはちょっとちがうかな・・。

 

そうだ、アトム君の世代は温泉だよ!

温泉に行って団体客の前でショーをやるんだ。

『劇団アトム特別公演』ってさ。
大うけだよ、きっと。」

 

 

電話を置いたアトム君、ため息をついています。

 

 

「みんなのアドバイス、イマイチだな・・・・。
明日、ハローワークにでもいってみようかな?


あ、もう一人、あの人に相談してみよう。」

 

 

 

 

f:id:kirasuke:20160902235728p:plain

 

 

メーテルお姉さん、僕、お金に困ってるんだけど、
何かいいアイデアがないですか?」


「アトム君!?久しぶりね。ウランちゃんや博士はお元気?」

 

ウランは元気なんだけど、博士はもう半身不随の介護老人なんです。

だから僕たちも、今後もし故障でもしたら、

治してくれる人もいなくって・・・・。」

 


「そう・・。それは大変ね。いっそのこと、アトム君、
私と一緒に旅に出ない?

もうすぐまた、あの999が旅に出るの。

 

一緒に行きましょう。きっと何か、道が開けるわ。
男の子は冒険をするものよ。」

 


これを聞いてアトムは目が輝きました。

 


「行きます!!メーテルお姉さん、出発は何時ですか?」

 

「9月9日午後9時。出発駅はわかるわね?」

 

 

アトム君は大喜びで早速支度にとりかかりました。

 

 

ウラン、僕がいない間、博士の事を頼むよ。きっとたくさん
お金を儲けて帰ってくるから!」

「お兄ちゃん、早く帰ってきてね・・・!」
         ・
         ・
         ・
           ・
それでアトムは999に乗るために空をびゅ~~んと
飛んでいるのかって?

 

 

それが実は、アトムは999の旅をやめたのだそうです。

 

 

「僕、旅の支度をしながら昔のアルバムを整理したんです。

そしたらいろんなことを思い出して・・・・・。」

                      

 

f:id:kirasuke:20160903132934p:plain 

f:id:kirasuke:20160903133043p:plain

 

 

「僕、お金のことで頭がいっぱいになっていて、

大事なことを忘れていたみたい。

僕はロボットだ。それも空を飛び、地中に潜り、

マシンガンを打ち、60か国語を話す、10万馬力の高性能ロボット。

博士は僕に何をやってほしいだろうって考えたら、

決してお金を儲けて楽に暮らすことじゃないって思ったんです。

僕には僕にしかできないことがあるはず。

みんなの役に立ちたい、そしたら博士も喜んでくれる。」

 

みんなのに役に立つって?

災害救助とか?

 

「それもいいけど、僕はもし腕がもげても痛くもなんともないし、

すぐ修理できる。だったら、

今世界中で困ってる、テロ対策に参加しようと決心したんです。」

 

 

 

f:id:kirasuke:20160903142839p:plain

 

 

なるほど!


「これから国連のテロ対策本部に行ってきます。
応援しててね!!」

 


さすが、強くて心優しい鉄腕アトム
自分の真価を発揮できる場所を見つけたようです。
きっと大活躍してくれることでしょう。

 

 

 

 

星空の美しくなる秋。

 

 

東京スカイツリーにある、郵政博物館では

 

「切手で見る星の物語展」が開かれます。

企画展 切手でみる星の物語展|企画展|イベントスケジュール|郵政博物館 Postal Museum Japan

 

 

小さな切手の中にある、広大な宇宙に思いをはせてみるのも

いいかもしれませんね。

 

f:id:kirasuke:20160906121325p:plain

 

 

 

    

 

にほんブログ村 美術ブログ アートのある暮らしへ